いまっしー流、監査調書作成術(その2)
前回のブログでは、監査調書(科目調書)は大きく4段落に分かれ、そして、1段落目にある『目的』について述べました。
今回は2段落目の『手続き』以下をお話ししたいと思います。
手続き
『手続き』の欄に記載するのはズバリ、自身が行った監査手続きです。
つまり、『目的』を達成するためにどんな手続きを実施したのかを書けばいいのです。
例えば、『目的』が現預金の実在性の証明だとします。
この場合、
預金に対しては『確認』の『手続き』を
現金に対しては『実査』の『手続き』を
実施すると書けばいいのです。
つまり、
預金残高に対して、確認状を発送し、確認状回答と補助簿(預金管理表)の一致を確認する。
現金実査を実施し、実査結果と補助簿との一致を確認する。
って記載すれば『手続き』の記載は完了です。
結果
結果の欄には、上記の手続きを実施した結果を記載します。
現預金の確認手続きなら、確認状回答と補助簿の金額を比較し、その結果、数字が一致していたことを記載すればいいのです。
ただし、上記の結果を文字で記載するだけでなく、表や記号を使って『分かりやすくする』のが腕の見せ所です。
例えば、
100万円をA銀行に70万円、B銀行に30万円預けている会社の預金帳簿残高の合理性を確かめるため、確認状をA.B銀行に発送したとします。その結果、回答額がA銀行70万円、B銀行30万円だったとします。
上記の結果を文章で記載すると、
A銀行の確認状回答額70万円と会社のA銀行の帳簿記録70万円の一致を確認した。
B銀行の確認状回答額30万円と会社のB銀行の帳簿記録30万円の一致を確認した。
となります。
これを分かりやすく表にすると、こんな感じでまとまります。
『分かりやすくする』ってこんな感じです。
分かりやすい調書と分かりにくい調書で中身は同じですが、印象は全然違います。
そして、その印象こそが、作成者、つまりスタッフ、シニアといった若手会計士の評価に繋がると私は考えてます。
『人は見た目が9割』ではないですが、言いたいことはそんなニュアンスです。
結論
さて、今まで、科目調書の4段構成として、『目的』、『手続き』、『結果』を述べてきました。
そして、最後の段落は『結論』となります。
『結論』では目的や手続きの結論を書けばいいのです。
今回の例題の『目的』は現預金の実在性の証明でしたね。
つまり、
特段問題無ければ、
『手続きを実施し、実在性に問題ないと判断した。』
間違いがあったなら、
『差異を発見した。実在性に問題あり。』
とか記載すればいいのです。
多くの調書では、上記を略して
『問題なし』とか
『検出事項あり』とかで
サクッとまとめています。
以上、科目調書の書き方についてまとめてみました。
『目的』
『手続き』
『結果』
『結論』
この4段落を意識して是非、監査調書を作成してみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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