監査法人のセクハラ事情

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先月は財務省の福田元事務次官のセクハラ疑惑が大きく報道されました。

 

財務省の対応の悪さ、女性へ対する偏見など、この報道が現代の日本が抱える社会問題を浮き彫りにしました。

 

これは、監査法人にとっても対岸の火事ではありません。

 

そこで、今回は監査法人のセクハラ状況について、独自の目線で述べたいと思います。

 

(記事では女性へのセクハラについて述べるとともに、男性である筆者の男性への提言を述べます。)

(男性へのセクハラも近年問題になっていますが、今回は要点を絞るためここでは記載しません)

 

目次

 

 

監査法人の女性構成員は大きく2つに分かれる

 

本題に入る前に、前提のお話として、監査法人の構成員についてお話しします。

 

一般の会社と大きく違うのは監査法人では構成員を大きく2つ分ける事ができます

 

それは、会計士かそれ以外かです。

 

例えば、大手監査法人の1つである「あずさ監査法人」のHPに記載されている構成員数を見ると、構成員数は約6000人いますが、その内公認会計士(合格者含む)は約4400人程在籍しています。

 

つまり構成員の約7割が会計士として働き、資格を持っているのです。

 

女性で考えると、監査法人では女性構成員のなかでも女性会計士とそれ以外の女性構成員に分かれるのです。

 

そして女性構成員へのセクハラを述べる今回、会計士とそれ以外の方で述べていきたいと思います。

 

女性会計士へのセクハラ事情

 

女性会計士へのセクハラは存在するのでしょうか。

 

結論から述べるとセクハラは存在するのが現状だと思います。

 

資格を持ち立場が強い女性会計士でもセクハラ被害にあってしまう。

 

それは男女比が原因ではないでしょうか。

 

男性が圧倒的に多い会計士業界

 

監査法人に在籍する会計士は男性だろうと女性だろうと仕事の上では平等に扱われます。

 

女性だろうと男性だろうと会計士としては平等に扱ってくれるのが、資格持ちである会計士の魅力的な点であります。

 

しかし、会計士の人数比として男性が圧倒的に多く、女性は少ないと言う点が、無意識の偏見を生み出し、無意識にセクハラをする男性会計士を生み出します。

 

圧倒的男性社会である公認会計士業界に女性がいるという環境は、資格持ちで平等に扱われるとしても女性にとってはなんとなく居づらい環境であることは否定できません。

 

例えば、体力の面では顕著に出てしまいます。

 

女性と男性では男性の方が比較的体力があり、女性は体力が少ないのが実情です。(この時点で偏見という意見もありますがここではこの仮定で進みます)

 

長時間労働を求められる繁忙期などでは、男性だろうが女性だろう関係なく大量の仕事を実施しなければなりません。

 

そして仕事の上では平等である会計士は性別差なく平等に仕事が振られます。

 

女性会計士の中にはしっかりと男性会計士とともに仕事を実施する方もいらっしゃいますが、体調を崩し、戦線離脱する女性会計士は比較的多いのです。

 

戦線離脱後の女性会計士に振られていた業務を男性会計士が持つのは言わなくてもわかりますね。

 

こういった環境では無意識に性別差が発生してしまい、それがセクハラへと続いてしまう。

 

女性会計士に対して、意図的ではないにしろ、セクハラとも捉えられる行動や発言をしてしまう方がいるのは監査法人の現状ではないでしょうか。

 

会計士以外の女性構成員へのセクハラ事情

 

さて、次に会計士以外の女性構成員へのセクハラについてです。

 

監査法人で監査補助業務を行うのは会計士だけではなくアシスタントという、会計士の仕事を補助していくれる方もいらっしゃいます。

 

そして、アシスタントさんのほとんどは女性であるのが現状です。(この時点で日本の男女格差の闇を表していますが)

 

では、この女性アシスタントに対するセクハラはどうなのでしょうか。

 

ここまでお読みの教養ある方なら、薄々分かると思いますが、セクハラは存在します。

 

原因はシンプルで、会計士の立場と無資格の立場の違いからです。

 

「監査をメインで実施する会計士、その補助をするのがアシスタントさん」

 

という仕事上の立場を超えてしまう一部の残念な男性会計士が、相手の私情も考慮せず合コンに誘ったり、彼氏の話を聞き出すなどが現状です。

 

この類の話は監査法人というよりかは、日本社会全体の話になりますが、監査法人も例外ではないのが現状です。

 

自身を含めて男性諸君への提言

 

ではセクハラをしないために男性諸君はどうするべきでしょうか。

 

私は「無意識を意識に変える」がキーワードだと思います。

 

キーワードだけではわかりにくので説明しますね。

 

まずはじめに皆さんは

 

無意識の偏見(アンコンジャス・バイアス)


という言葉をご存知でしょうか。


『無意識の偏見(アンコンジャス・バイアス)』とは

 

自分自身が気づかずに持つ偏った見方・考え方

のことです。

 

例えば、

 

「最近の若者は根性がない。草食系男子が多い」

「女性は家事や料理が得意」

「自分の周りにはLGBTなんていない」

 

など、無意識に考えている自分自身の判断の指針のことです。

 

そして「無意識の偏見」はセクハラに関しても大きく関わりがあります。

 

例えば、「女性は料理が得意」という無意識の偏見がある人が、「料理ができない、料理をしない」女性に対してこんなことを思っているのではないでしょうか

 

「料理しない女ってありえないよな」

 

これは、「家事は女性が担うもの」といった価値観から無意識に考えていることではないでしょうか。

 

「思うだけ」なら問題にはならないかもしれませんが、無意識の偏見は無意識に言動や行動に出てしまうのが恐ろしいところなのです。

 

先ほどのセリフを無意識に女性に言ってしまった場合、セクハラ認定されてもおかしくないんです。

 

では、どうすればこの無意識セクハラを無くす事ができるか。

 

それが「無意識を意識に変えるです。」

 

無意識思想を意識思想に変えることで、自分の価値観を客観的に把握する事できます。

 

そして、客観的に把握した価値観の内、間違っている価値観を意識して変えていけばいいのです。

 

先ほどの「家事は女性がするもの。女性は料理が得意」という価値観を意識し、それが間違いであるということに気づけば、先ほどのセクハラはなくなります。

 

「無意識を意識に変えて、気づき、セクハラ防ぐ」

 

現代人に求められる、マナーではないでしょうか。

 

無意識を意識に変えセクハラをしない男になる

 

財務省の福田元事務次官の報道でも出ていましたが、本人はセクハラをしていないと供述しています。

 

しかし、被害者がセクハラをされたと感じれば、それはセクハラになるのです。

 

事件の真相は不明ですが、福田元事務次官が無意識にセクハラをしてしまったなんて結末も考えられます。

 

もし、福田元事務次官が無意識ではなく意識を持っていれば、今回のセクハラを防げたののかもしれませんね。

 

今回は長々と持論を述べてしまいました。

 

監査法人でのセクハラが無くなる日を願って。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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