いまっしー流、監査調書作成術(その1)
今回は監査法人に入社したら、必ずといって書くであろう監査調書(科目調書)の書き方について、まとめてみました。
監査調書はとは?
そもそも、監査調書と何かという話ですが、簡単に言えばレポートみたいなものです。
自分の行った監査手続をレポートとして文章化したものが監査調書です。
その中でも科目調書とは、現預金、売上といった勘定科目の適正性を確かめるために作成する監査調書です。
繁忙期と言われる時期に、スタッフ、シニアといった若手会計士がひたすら作成する監査調書でもあります。
科目監査調書作成の前提
科目監査調書には典型的なフォーマットがあります。
そのフォーマットに従うと科目調書は
①目的
②手続き
③結果
④結論
の4つに分類できます。
この目的、手続き、結果、結論の4段階構成を意識して書くことで、要点を押さえてかつ分かりやすい調書になるのです。
以下、現預金の科目調書を例にして、具体的に述べていきたいと思います。
現預金調書の目的
現預金調書ではズバリ現預金の適正性を証明するのが目的です。
例えば、会社が財務諸表で現預金を100万円と表示していたら、本当に100万円で大丈夫なのか証明するのが現預金調書作成の目的なのです。
ではその適正性をどう証明するか。
監査では「アサーション」つまり「経営者の主張」を証明することで、適正性を示すのです。
現預金のアサーションとは?
では現預金アサーションとは何なんでしょうか?
ズバリここは2つに絞ると実在性と期間帰属となります。
現預金の100万円って本当にあるんですか?
→あります!
を示すのが実在性。
現預金の100万円は1年の終わりの期末の金額であってますか?
→期末の金額であってます!
を示すのが期間帰属の適正性です。
このアサーションを確かめることが科目調書の目的です。
なので、調書の最初には目的を必ず書きます。
『僕は現預金の実在性を証明したいと思います!』
って書くわけです。
嘘です。
上の文字を知的に書きましょう。
目的の欄には
『現預金の実在性の証明』
って書くのです。
期間帰属なら『現預金の期間帰属の適正性の証明』ですね。
今回はここまで、
『目的』は調書の1番大事な段落です。細かく書いてみました。
次回は『手続き』以下を記載します。
最後までお読み頂きありがとうございました。
下記続きです
スポンサーリンク