図解!仮想通貨会計
2017年12月の公表された
「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取り扱い(案)」
を図解してみました。
・範囲
当該実務対応報告の対象範囲ですが、これは資金決済法に規定するすべての仮想通貨を対象としています。
例えば、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨が対象範囲となっています。
一方、電子マネー、Tポイントといった法定通貨を電子化したものは仮想通貨の範囲ではありません
・保有する仮想通貨の期末での評価
1.活発な市場がが存在する仮想通貨
活発な市場が存在する場合、市場価額に基づく金額と帳簿価額(元々の価額)との差額は当期の損益として処理をします。
例えば、100円で取得した仮想通貨が期末120円に値上がりしていた場合、差額の20円分を収益として処理し、仮想通貨の表示額を120円とします。
一方、80円に値下がりしていた場合、差額の20円を費用として処理し、仮想通貨の表示額を80円とします。
2.活発な市場が存在しない仮想通貨
活発な市場が存在しない場合は、取得価額を表示価額とします。
しかし、期末における処分見込額(その時点で売れそうな価額)が帳簿価額を下回る場合は、差額を損失として処理し、処分見込額で表示します。
例えば、100円で取得した仮想通貨が期末に120円で売れそうな状態であったとしても、仮想通貨の表示額は100円のままで表示し、収益は発生しません。
一方、期末の処分見込額が80円まで値下がりした場合、差額の20円分を費用として処理し、仮想通貨の表示額を80円とします。
・仮想通貨の売買損益の認識時点
仮想通貨の売却損益は仮想通貨の売買の合意が成立した時点において認識をします。
例えば、10/1に100円で取得した仮想通貨の売却の合意を12/29に成立させ、翌年の1/5に実際に売買を行ったとします。
仮想通貨の売買の合意が行われた12/29において売買価格の実質的な確定が行われたと考えられます。そのため実際には売却が行われていませんが、12/29に売却損益を認識します。
つまり12/29において売買価格110円で取引が行われたものとして会計処理を行います。
・開示
売却処理を行った場合、当該仮想通貨の売却処理に係る売却収入から売却原価を控除して算定した純額を表示します。
例えば、100円で取得した仮想通貨を120円で売却した場合、売却額の120円から100円を控除した20円を利益として純額で表示します。
また注記事項として、
①期末日において保有する仮想通貨の表示額の合計額
②活発な市場が存在する仮想通貨の種類、保有する量、貸借対照表価額(表示額)
③活発な市場が存在しない仮想通貨の種類、保有する量、貸借対照表価額(表示額)
を記載します。
以上、簡単にですが 仮想通貨にかかる会計処理をまとめてみました。