若手会計士、隣の芝生を青く見過ぎ問題
先日、会計士界隈の合宿として話題の「ユメオト」に参加してきました。
Twitter等SNSで流れている写真を見ると、「イケイケ会計士の会」にだけ見えてしまうのですが、それだけじゃないということをお伝えするとともに、面白い議論がこのユメオトで出てきたので、記事してまとめたいと思います。
ずばり、「若手会計士、隣の芝生青く見過ぎ問題」です。
まあ、この話題、会計士業界の人ならなんとなくわかる話題ではないかと思うのですが、一様概要を説明すると、「多くの若手会計士が現状の仕事(監査法人のお仕事など)に悶々とする一方、一部の若手会計士がそれなりに会計士業界を飛び越え活躍している姿を見て、嫉妬し、焦っている状況」のことです。
多くの若手会計士が最初のキャリアとして監査法人に勤める実情があります。
ただ、監査法人や監査業界というのはかなり特殊な世界で、会計士の中で、その業界にとどまる人は多くはありません。会計スキルを武器に、幅広く活躍するのが、ここ15年間で合格した会計士のトレンドとなっています。
ただ、うまくキャリアチェンジできる人が少ないのが現状。
会計士ってキャリア構築ヘタクソなんです。(私も人の事言えませんが)
外部の人からすると、会計士の資格持ってて、悠々自適なメンバーなのに何故って思われても仕方がない話題ですが、内部の実情は上手く活躍している会計士対して、人間味たっぷりの嫉妬や焦りがうごめきあう世界なのです。
そんな、若手会計士業界ですが、この問題に関して、ユメオトの勉強会で、結構真剣に原因分析と問題解決について、議論したので、その内容を記載しますね。
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何故、イケイケ会計士を青く見過ぎてしまうのか
さて、何故、若手会計士は自分のキャリアに悶々し、イケイケ会計士を青く見過ぎてしまうのでしょうか。
議論で出た原因を大きく2つに集約すると、「情報の大洪水(外発的影響)」と「自己分析への無自覚さ(内発的影響)」になりました。
「情報の大洪水(外発的影響)」
まず、「情報の大洪水」ですが、これは勝手に私がつけたネーミングです。
要は、近年のSNS等により、気軽に情報を仕入れることができるようになった結果、情報の大洪水が発生、『鋭いキラキラ情報』と『鋭いネガティブ情報』だけが突出して、目立つようになり、本質の情報が埋もれ、「鋭い情報」によって若手会計士が翻弄されている状況となっています。
「ベンチャーCFOとしてIPOやバイアウトを実行した会計士」
「外資系企業で活躍する若手会計士。」
「グレーゾーン経済をターゲットに活躍する会計士」
など、どの方も、エッジが効いていて、狭い会計士業界では有名な方ばかりです。
そんな、エッジの聞いた言葉に翻弄される若手会計士はあとを絶ちません。
「知らぬが仏」の逆ではないですが、「尖った情報だけを知りすぎは苦行」であるのは事実です。
「自己分析への無自覚さ(内発的影響)」
上記の外発的な原因もありますが、本質はこっちだと推測したのが、チームの見解でした。
そう、自分自身に対する自己分析が足りていない。
自己分析の足りなさに若手会計士が気づいていないのです。
要因は色々あるとは思いますが、一つ挙げるとすると、何も考えずに試験に受け、合格してしまう若手が増加したのが挙げられます。
会計士試験が12.3年程前に、大きく変わったのご存知でしょうか。
今の時代の試験は、新会計士試験と呼ばれ、難易度が軟化、合格率が上昇し、大学生合格が多数発生するなど、若手公認会計士が増加したのが、ここ15年の状況です。
「会計士になりたくて受ける試験」というよりは、「なんか給与水準高そう資格で、とりあえず受けてみよう試験」に変化してのが、近年の新会計士試験です。
そんな20代の何も知らない青年が、会計士試験の合格を手にするとどうなると思いますか?
そう、資格という武器に引っ張られて、自己分析をしなくなります。
特に、監査法人就職売り手市場のここ5年は、まともに自己分析なんてする人少ないし、監査法人入ったあとに自己分析を続ける人は減っているんじゃないかな。
日々の仕事に忙殺され、自分がどうありたいか、考えるのやめていませんか?
(私も他人事ではないです)
まだ、自己分析が不足していることに自覚があるならマシですが、これに無自覚な人も結構多いんです。若手会計士。
そんな、自己分析不足の若手会計士は軸がブレブレなので、ちょっとキラキラした外発的な情報があると、心がブレます。
そして、そのキラキラ(のように勝手に見ているもの)を青く見過ぎてしまうのです。
出会いによる外発的な自己分析のすすめ
青く見過ぎ問題の根本原因が、自己分析の不足だと述べましたが、じゃあ自己分析ってどうやるのって話になります。
自分と向き合って、なんかの自己分析チェックリストを埋めていって、、、
まぁそれも一つなんですが、それが出来たらみんな苦労しないですね。
それはさて置き、別の方法で簡単に自己分析をすることが出来る方法があります。
それは人に会うことです。
いや、自己分析じゃないじゃんって思うかもしれませんが、これは自己分析を外発的に実施出来る自己分析の手段の一つなのです。
人間は自身の経験の枠内でしか、考える事が出来ません。
そのため、一人で自己分析をすると、自分の経験の枠内でしか出来ない、狭い自己分析になってしまいます。
一方、色々な人に会って、視野を広げる事で、一人では見えなかった世界が見えてきます。
その世界観で自己分析をすると、自己分析って結構出来るもんなんです。
経験上、最初は人に会い続けると、周りがキラキラしてて苦しいですが、だんだんと、他人と自分の違いを意識し始めて、自分という存在を、「他人というものさし」を利用する事で、測ることができてきます。
そうなれば、自己分析も容易いものです。
知らない人に会うのは億劫という気持ちはわかりますが、セミナーだったり、オフ会だったり、なんでもいいので、気軽に参加してみてはいかがでしょうか。
隣の芝生は青そうに見えて案外青くない。
キャリアの幅が広い資格である公認会計士。
そのキャリアの幅の広さ故に、他人のキャリアがキラキラして見えてしまいがちです。
ただ、「自分の芝生」は意外と青いところもあるし、自分なりにもっと青くすることもできます。
隣の芝生をちょこっと覗いて、自分の芝生をどうしたいか考えてみませんか。
隣の芝生は青そうに見えて案外青くない。
— いまっしー (@cpa_win) 2018年10月31日
自分の芝生は意外と青い所もある。
隣の芝生に見惚れるのもいいが、自分の芝生をもっと青くするのは意外と楽しい。
お隣さんを見ることによる焦りは禁物。
己の刃を研ぎましょう。