新人向けウォークスルー実務講座1
どうも若手会計士いまっしーです
今回は、監査法人新人向けウォークスルー実務ポイントを記載したいと思います。
受験勉強で「ウォークスルー」という言葉は知っているけど、実際の実務を知らない人が新人が多いと思います。
何も準備しないままウォークスルー往査にいったら、全然仕事ができなかったっていう私の新人の頃を思い出して、知っておくべき知識と準備を簡単に記載します
(こういう実務の方法って直で教えてくれる先輩が少ないので、自分でしっかり予習しましょうね)(先輩のせい、人のせいにしてたらいつまでも成長できません)
また監査法人対応側である内部監査室、経理の方も会計士がどのような手続きを実施しているか概要をつかむことで、監査手続きに対応しやすくなると思いますので良ければご参照ください。
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ウォークスルーとは?
まず、「ウォークスルー」とは何かということですが、EY新日本さんのHPを引用すると
取引の開始から取引記録が財務諸表に計上されるまでの流れを追跡する手続き
となっています。
第5回:その他の業務プロセス|内部統制|EY新日本有限責任監査法人
もっと噛み砕いて説明しますね。
まず前提のお話として、財務諸表に計上される数値は基本的に、売上だったり、お金の借入れだったりといった、企業の経済的活動の成果です。
売上で例えると、
①お客さんから注文を受けて→②注文された商品を倉庫から取り出し→③お客さんのところに発送する、
ことで初めて「売上」を財務諸表に計上できます。
この経済的な企業の活動を「取引」と上では言っているのです。
その「取引」の「始め」(売上で例えると「お客さんからの注文」)から「終わり」(売上を財務諸表に計上)までの一連の流れを確認する手続きがウォークスルーなのです。
そして、「ウォークスルー」を実施することで、
①取引の流れを理解し
②職務分掌の状況の検証(誰が何をしているのか確認し)
③コントロールの整備状況の評価(取引がスムーズに進むための整備は整っているのか把握する)
ことができます。
ウォークスルー手続き具体的な流れ、
ウォークスルーがどういった手続きなのか分かったところで、具体的にどのような手続きをしているのか記載します。
ウォークスルーの基本的な業務は大きく2つで「資料閲覧」と「質問」です。
まず「資料閲覧」とは 「資料」の閲覧です。(真面目に言ってます)
では「資料」って何って話ですが、答えは企業の経済的な活動である「取引」で発生する「資料」です。
「売上計上取引」で例えてみましょう。
売上の取引を簡単にすると
①お客さんから注文を受けて→②注文された商品を倉庫から取り出し→③お客さんのところに発送
でしたね。
お客さんから注文を受けた方法として、「注文書」という「資料」をお客さんから受け取ります。
この「注文書」をウォークスルーでは「閲覧」するのです。
「注文金額な何円かな?」
「日付はいつかな?」
「注文主は誰かな?」
「いつまでに納品しないといけないのかな?」
「誰が受注承認しているのかな?」
など
「注文書」を「閲覧」することで様々な情報を入手することができるのです。
「注文書」以外にも、注文受けて作成する「受注伝票」や、倉庫から商品を取り出すための「出荷指示書」、商品を物流業者に引き渡す際に受け取る、「出荷伝票の控え」など、売上取引という経済活動には様々な資料が登場し、その資料を閲覧することで、「売上取引」を理解することができるのです。
次に「質問」ですが、これは「業務担当者」や「業務理解者」といった、企業に勤めている方への質問のことです。
資料の閲覧だけでは、分からない点や、資料が専門的でどんな資料なのか分からない時があります。
そんな時、現場で働く「業務担当者」の方や、その業務に精通している「理解者」(内部監査室の方)に対して質問をすることで、その「取引」に対する理解を深めていくのです。
また、業務プロセス(流れ)についての前年度からの変更点なども「質問」をすることでわかるため、仕事でお忙しい中、監査部屋に来て頂き、質問させて頂くのが「ウォークスルー」では重要な手続きとなります。
簡単にですが、「ウォークスルー」の概要と具体的な手続きを記載しました。
次回の記事では「ウォークスルー」手続き前に実施しておくことや実施上のポイントなどを記載します。
ではでは。