新人向けウォークスルー実務講座1
どうも若手会計士いまっしーです
今回は、監査法人新人向けウォークスルー実務ポイントを記載したいと思います。
受験勉強で「ウォークスルー」という言葉は知っているけど、実際の実務を知らない人が新人が多いと思います。
何も準備しないままウォークスルー往査にいったら、全然仕事ができなかったっていう私の新人の頃を思い出して、知っておくべき知識と準備を簡単に記載します
(こういう実務の方法って直で教えてくれる先輩が少ないので、自分でしっかり予習しましょうね)(先輩のせい、人のせいにしてたらいつまでも成長できません)
また監査法人対応側である内部監査室、経理の方も会計士がどのような手続きを実施しているか概要をつかむことで、監査手続きに対応しやすくなると思いますので良ければご参照ください。
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ウォークスルーとは?
まず、「ウォークスルー」とは何かということですが、EY新日本さんのHPを引用すると
取引の開始から取引記録が財務諸表に計上されるまでの流れを追跡する手続き
となっています。
第5回:その他の業務プロセス|内部統制|EY新日本有限責任監査法人
もっと噛み砕いて説明しますね。
まず前提のお話として、財務諸表に計上される数値は基本的に、売上だったり、お金の借入れだったりといった、企業の経済的活動の成果です。
売上で例えると、
①お客さんから注文を受けて→②注文された商品を倉庫から取り出し→③お客さんのところに発送する、
ことで初めて「売上」を財務諸表に計上できます。
この経済的な企業の活動を「取引」と上では言っているのです。
その「取引」の「始め」(売上で例えると「お客さんからの注文」)から「終わり」(売上を財務諸表に計上)までの一連の流れを確認する手続きがウォークスルーなのです。
そして、「ウォークスルー」を実施することで、
①取引の流れを理解し
②職務分掌の状況の検証(誰が何をしているのか確認し)
③コントロールの整備状況の評価(取引がスムーズに進むための整備は整っているのか把握する)
ことができます。
ウォークスルー手続き具体的な流れ、
ウォークスルーがどういった手続きなのか分かったところで、具体的にどのような手続きをしているのか記載します。
ウォークスルーの基本的な業務は大きく2つで「資料閲覧」と「質問」です。
まず「資料閲覧」とは 「資料」の閲覧です。(真面目に言ってます)
では「資料」って何って話ですが、答えは企業の経済的な活動である「取引」で発生する「資料」です。
「売上計上取引」で例えてみましょう。
売上の取引を簡単にすると
①お客さんから注文を受けて→②注文された商品を倉庫から取り出し→③お客さんのところに発送
でしたね。
お客さんから注文を受けた方法として、「注文書」という「資料」をお客さんから受け取ります。
この「注文書」をウォークスルーでは「閲覧」するのです。
「注文金額な何円かな?」
「日付はいつかな?」
「注文主は誰かな?」
「いつまでに納品しないといけないのかな?」
「誰が受注承認しているのかな?」
など
「注文書」を「閲覧」することで様々な情報を入手することができるのです。
「注文書」以外にも、注文受けて作成する「受注伝票」や、倉庫から商品を取り出すための「出荷指示書」、商品を物流業者に引き渡す際に受け取る、「出荷伝票の控え」など、売上取引という経済活動には様々な資料が登場し、その資料を閲覧することで、「売上取引」を理解することができるのです。
次に「質問」ですが、これは「業務担当者」や「業務理解者」といった、企業に勤めている方への質問のことです。
資料の閲覧だけでは、分からない点や、資料が専門的でどんな資料なのか分からない時があります。
そんな時、現場で働く「業務担当者」の方や、その業務に精通している「理解者」(内部監査室の方)に対して質問をすることで、その「取引」に対する理解を深めていくのです。
また、業務プロセス(流れ)についての前年度からの変更点なども「質問」をすることでわかるため、仕事でお忙しい中、監査部屋に来て頂き、質問させて頂くのが「ウォークスルー」では重要な手続きとなります。
簡単にですが、「ウォークスルー」の概要と具体的な手続きを記載しました。
次回の記事では「ウォークスルー」手続き前に実施しておくことや実施上のポイントなどを記載します。
ではでは。
深セン旅行記⑦会計士として深センで感じたこと
どうも若手会計士いまっし-です。
深センブログ第7弾にして最終回。
最終回は深センで感じた、会計士としての考え事を記載したいと思います
オフィスツアーで感じた会計では表せないもの
前回までの深センブログでは観光メインで記事化していましたが、今回のツアーでは3社程、深センで事業を実施している企業に訪問し、お話を聞く機会がありました。
今回伺った企業は、
・DOBOTさん(https://www.dobot.cc/)
深センのロボットスタートアップで主に、ロボットアームだったり、3Dプリンタ機器を開発している会社です。
・ジェネシスさん(https://www.jenesis.jp/)
日本企業のICT及びIoT製品の開発、製造受託、販売、及びカスタマーサポート業務受託を実施している会社です。都内のタクシーでよく見かけるタブレット端末などはこちらの会社で製造されています。
・HelloTalkさん(https://www.hellotalk.com/)
語学の相互学習アプリを提供するスタートアップさん
です。
それぞれの企業さんを見学させていただき、またお話を伺った中で、一番感じた事は、企業のビジネスモデルだとか、製品といった見えるものではなく、その企業の熱意だとか、気持ちだとかいった、感性の部分でした。
会計的に言うと財務諸表では表示されない部分が私にとって一番強烈に残った印象でした。
事業あって、結果があってそれを表すのが会計
さて話は変わりますが、会計は企業があって、その経済活動を一定の法則で写像するのがの役割です。
そして、その結果として表示されるのは、企業の売上だったり、費用だったりとお金で測定できる部分であり、人々の熱意だとか、感動だとかいった、貨幣価値にできないものは会計で写像することはできません。
会計が写像した企業の経済活動はほんの一部の結果であって、その裏には会計で写すことができないたくさんのドラマや感性が企業にはあるのです。
しかし、会計士として働いた結果、内部統制やら財務諸表やら、会計が写像した、表面の結果を見て、色々な企業を見る事が出来た気分になっている自分がいることに気づきました。
表面の仕組みばかりを見て、その中身である結果、つまり事業を見ていないことを深センという異国で気づかされたのです。
会計だけ見ている会計士と事業を見つめる経営者の目線の違い
先日、公認会計士の日に開催された、ユニクロの柳井社長の講演では、会計士は経営者との目線を合わせてほしいといった趣旨の事を言われていたそうです。
参考
経営に必要なのは最高の会計士 柳井氏が語る、日本企業再建のストーリー - ログミー[o_O]
まさに今の私の状態を示したお話ではないでしょうか。
内部統制やら会計基準やら、結果の表す表面の仕組みばかりを見ている会計士と、事業を見ている経営者の視点は合わないの言わなくてもわかる事実です。
ただ、このままではいけないという事をユニクロの柳井社長はおっしゃられていたのだと思います。
「会計」だけではなく、その背景にある「事業」を見る。
これは監査法人、会計事務所、経理、CFO、全ての会計に携わる会計士の使命であると感じました。
会計は結果を表し、公表するツール
事業は結果を創り出すツール
事業あっての会計である事を忘れてはならない。
企業や経営者に寄り添う会計士へ
異国の地、深センで感じた、会計士の考え事でした。
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監査法人女性向けリクルートイベントの本音
どうも、若手会計士のいまっしーです。
先週、今年度の論文式試験の合格発表もあり、約1300人の方が、合格されました。
おめでとうございます。
そして、監査法人のリクルートも活発になってきます。
今回は監査法人のリクルートで気になる女性就活生向けイベントの理由と本音を私の独自分析で考察して行きたいとおもいます。
(あくまでも独自の考察であり、所属法人とは一切関係ありません)
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女性向けイベントと制度の多様化
私が就活生として監査法人への就職活動をしてたのは数年前の話ですが、その当時、そこまで女性会計士向けのイベントや育児支援などを積極的に打ち出していなかったと思います。
しかしここ数年、「〇〇女子会」、「女性会計士に聞いてみよう」などといった女性就活生向けイベントを各法人積極的に打ち出しています。
またイベントだけでなく、「結婚」、「出産、育児」の積極的なサポートとして、保育所設置や、時短勤務・在宅勤務を積極的に導入、女性管理職の増加推進をしています。
(参考までにトーマツさんのHPを添付しますが、他の監査法人も同じようなコーポレート情報をHPにアップしています。)
女性活躍推進|コーポレート:会社案内(有限責任監査法人トーマツ)|デロイト トーマツ グループ|Deloitte
このように、女性活躍推進に積極的な監査法人ですが、この背景には様々な理由があるのです。
理由1、グローバル本部からの圧力
大手4大監査法人はグローバル会計事務所である「EY、KPMG、PwC、Deloitte」と提携し、グローバル本部の指示に従っている特徴があります。
欧米のグローバル企業であるグローバル会計事務所の女性活躍推進は、日本の企業と比較して圧倒的に進んでいるのが現状で、日本だけが取り残されている状況でもあります。
そんな中、グローバル政策として今後、日本でも女性活躍推進は必須の課題であり、そのための目標数値の達成が課題となっています。
例えば、先に挙げたトーマツさんのHPにはこんな目標数値が記載されています。
■数値目標
・女性ボードメンバー3名、女性執行役1名
・女性パートナー・ディレクター比率:10%
・女性管理職比率:20%
・男性の育児・介護事由での休暇取得
・配偶者が出産した場合の休暇取得率:100%
そして、現状数値はこちら、
・現状データ(2018年1月1日現在)
パートナー・ディレクターに占める女性割合:8.1%
管理職に占める女性割合:14.9%
達成度合いはさておき、言いたいことは、こういった数値目標がグローバルから課されており、達成に向け、法人上層部は必至になっているということです。
リクルートで女性を積極的に採用したからといって、上記の数値とは直接的には関係ありませんが、将来的に欧米の女性活躍推進の流れに追いつくためにも、現時点からの積極的な女性雇用が必要なのです。
理由2、女性会計士の少なさを隠したい
会計士の男女比率からしても、女性が少ないのは周知の事実ですが、監査法人も例外ではなく、女性比率は低いのが現状です。
そんな現実をリクルートの場で法人サイトとしては見せたくないのです。
女性就活生向けイベントの積極的に実施することで、ローモデルとなるような女性会計士が法人内に少ないことを隠している現状は否定できません。
あと、所属する構成員向けに、法人が女性活躍推進に向け積極的なっているという姿勢をリクルート活動を通じてPRしたいという理由も一理あります。(ただでさえ男社会の監査法人から、これ以上女性が辞めていくのを、法人側としても避けたいのです。)
リクルートの場にいる、リクルーターの男女比率は、監査法人の現場の男女比率と異なることを念頭に置いておきましょうね。(女性リクルーターはとにかく多いです)
そして、現状的には監査法人は男社会であることを忘れないでください。
(毎年、入社前後で期待ギャップに打ちのめされたJ1女子を見ると、切なくなります。)
理由3、男は女に釣られてくる
これが一番の本音なのではないでしょうか(笑)
レディーにとって心地よい環境は、ジェントルマンにとっても心地がいい場所なのです。(男にとって心地がいい場所が、女にとって心地がいいとは限らないのですが。)
女性就活生へのリクルート対策をしっかり実施した監査法人が近年、多くの就活生への内定承諾を確保しているのではないでしょうか。
良くも悪くもガツガツ系就活生が少なくなった状況では、女性向けリクルートは男性向けリクルートにもなっているのです。
キラキラに惑わされないでね。
合格ほやほやで、浮かれる気分も悪くないですが、現在の主流である「接待リクルート活動」に溺れるのは禁物です。
特に女性の就活生ですが、監査業務は体力勝負の男社会向け業務であることは忘れないでくださいね。(ここ近年大きく改善されているとは思いますが)
「入社前後の期待ギャップを埋める場所=リクルートイベント」の原則を忘れずに。
ではでは。
修了考査対策⑥科目別勉強法(経営実務・職業倫理)
どうも若手公認会計士のいまっしーです。
さて今回は修了考査の科目別勉強法の経営実務及び職業倫理について記載します。
そして今回が修了考査関連最後のブログです。
会計、監査、租税と比較し、分量は少ない科目ですが、足元をすくわれないように、しっかりと対策をすることをオススメします。
修了考査全体の対策はこちらのブログを参照して下さいね。
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経営実務
基本的な計算問題と、会計士論文式試験では出なかったIT(IT監査)の理論問題が出題されます。
計算問題は、会計士論文式試験の管理会計論と経営学の基礎計算問題、
理論問題はコンピューターを利用した監査に関する理論の出題です。
この科目は他の科目と比較し、解きやすい問題が多く、多くの受験生が高得点を取れる科目です。
このため、しっかりとこの科目で高得点をもぎ取り、点数を稼ぐ事が、試験突破にとって重要となります。
計算勉強方法
計算については、会計士の短答式試験の管理会計論で出題されるレベルの基礎問題が中心となります。
このため、思い出す程度に勉強し、本番前に最終チェックするくらいで問題ないと思います。
ただし論文式試験で経営学選択外の方は、経営学科目に関連する計算問題はしっかり見ておきましょう。
理論勉強方法
理論に関しては、TAC教材に関しては、まず理論の講義を受講し、概要を把握することをおすすめします。
初めての科目分野であるのと、講義数は少ないため、しっかり講義を受けても費用対効果は大きいと思います。
その上で、答練問題を解き、不明な点はテキストに戻る勉強法がいいと思います。
職業倫理
試験時間1時間の科目であり、監査論の一部ですが、監査論とは切り離して職業倫理として問題が出題されてます。
試験内容はズバリ、「公認会計士法」と「倫理規則」の内容となります。
他の科目と比較し、得点も100点満点と少ないですが、対策を怠った結果、科目足切りの40%を下回るなんてことも考えられますから、最低限の準備はしましょうね。
対策としては、「公認会計士法」と「倫理規則」の通読ですが、そのまま原文を読むのではなく、しっかりと体系化されたテキストを通読することをオススメします。(そのほうが頭に入ってきます)
また答練等練習問題が少ないので、答練のみではなく、「倫理規則」の「基本原則」「阻害要因」「概念的枠部アプローチの適用例(セーフガード例)」なども暗記までとはいかないまでも、しっかり説明できるようにまでは練習し、本番の事例問題などに対応できるようにしておくことをオススメします。
「倫理規則」の「基本原則」をそのまま書かせる問題というよりかは、事例があって、どの「阻害要因」に当てはまり、どのような「基本原則」が阻害されているのか、そしてこの場合どのような「セーフガード」を適用するのが望ましいかなどといったケーススタディを意識して勉強するのがオススメです。
試験講評
最後はおなじみの試験講評です。
箇条書きで記載していきます。
・経営、倫理ともに、問題量は多くない。しっかり意識すればすべての問題に回答できる。
・時間が余る分、字は丁寧に(この科目くらい丁寧に書こう)
・経営学は一番できた自身あり(まわりもこんなかんじ)
・職業倫理は、誠実性を全面放出!(倫理観を正しく持ち、しっかりと回答すればおそらく点数はついてくる)
・最後のほうの科目だからって気を抜かない!(最後まで踏ん張る)
以上こんな感じでしょうか。
他の科目と比較し、分量も難易度も低い分、高得点が期待できます。
また最後になりますが、修了考査は会計士になるための最終試験です。
たまーに試験に落ち続ける方がいらっしゃいますが、私からすれば覚悟が甘すぎます。
7割合格の試験なのだから、しっかり対策し、無難に合格する。
名刺に「公認会計士」と記載することを夢見た「会計士試験時代」を思い出して、その時の自分に負けないくらい努力をしましょう。
ではでは。
論文式試験で落ちた時の思い出と覚悟
平成30年度公認会計士論文式試験の合格発表まであと1週間を切りました。
8月に受けた試験の結果が来週には判明します。
そわそわしている受験生が多いのではないでないでしょうか。
今回の記事では私の論文式試験不合格のお話と不合格から再起したお話を致します。
試験には合格と不合格が必ずあります。
もし、不合格となった時、どの道に行くとしても、あなた「再起」して、歩まなければならないでしょう。それが、「生きる」ということです。
私も、過去に不合格を経験し、そこから再起したあと、再度受験、多くの人に支えられて合格することができました。
そのエピソードの中で、一つ自慢があるのですが、その時の「再起」のスピードです。
金曜日の合格発表後、翌日には再起、日曜日には予備校と契約して、月曜日には受験勉強を開始していました。
なぜ、そんなスピードで「再起」できたのか。
それは、その後の人生の根幹をなす「考え方」を不合格の翌日に開眼出来たからだと思っています。
その「考え方」を昔を思い出しつつ、書きたいと思います。
あなたの「再起する足腰」の一助になれば幸いです。
論文式試験の合否を金融庁へ見にいった
論文式試験試験の合否結果は、ネットで確認することも出来ますが、当日、金融庁の1階にも張り出されることをご存知でしょうか。
インターネットが普及した今日でも、ネットだけではなく、紙媒体で合格発表を提示するのは、非効率の塊のような慣習ですが、その慣習が無くならないのも、その後の人生を大きく分ける国家資格ゆえなのでしょうね。
そんな感じで、受験生だった私も、仕事をせず暇だったので、金融庁に合格発表を見に行ったのでした。
数時間後、その場で大泣することも知らずに。
合格者一覧を必死に見るも番号なし
合格発表当日、発表20分前に金融庁に行くと、すでに同じように合格発表を待ちわびている受験生が何人かいました。
掲示の広さ上、一度に全員が合格発表を見ることが出来ないので、来た順に合格発表を待つ列ができていました。
私もその列に並び、合格発表を待っていました。
そして、合格発表の時。
先頭列の受験生の中から歓喜の声が聞こえ、緊張がピークになります。
そして自分の番。
番号を探します。
ただ、いくら見ても、見つかれません。
2.3分ほど見続けた後、ようやく、理解できました。
「俺、受からんかったんか」って
その後、親に電話で報告。人目もはばからず、金融庁の柱の影で号泣してました。(今ではいい思い出です)
放心状態で向かった先は「ヒト」の原点の海
結果を知った後、まあ悔しいわけで、いろいろ放心状態になったわけです。
それは、結果を知った翌日も続いていました。
そして、こんなときって家にいたくないんですよね。
行く場所ないんですけど、とりあえず外に出て、カフェに行ってボーっとしてたら、無性に「海」に行きたくなりまして、電車に乗って横浜に行きました。(暇人ですね)
横浜についたのは、日も暮れて夜でした。
そして、人々が向かう方向とは逆方向に歩いていって、海が見える公園まで来ました。
あたりには誰もいない、真っ暗な公園。
寒気が入り始めた11月の寒い夜で、冷たい潮風が肌を刺すような感覚だったことを今でも覚えています。
そんな中、鼻水たらしながら、海をボーっと見てたんです。(不審者です)
ただボーっと。
見えるは海と月と対岸の工場夜景。
聞こえるのは風と波の音。
ひたすらボーっとして、落胆して、そしたら怒りがこみあげてきて、
「なんでこんな俺が人生でこんなに悔しいのに、まわりの人々は普通にしてるんだよ!」
って、本気で考えてました(笑)
「俺がこんな苦しんでるのに、海は波立ててるし、月はひたすら輝いているし、工場は動いているし、人は普通に生活しているし、なんでやねん!」って
でも、その時、別の考え方も内からあふれてきたんです。
「俺がどんなに苦しくても、海は波立ててるし、月はひたすら輝いているし、工場は動いているし、人は普通に生活しているんだな」って
「どんなに辛くても、この世の中に常に動いている。俺の苦しみなんて、この世界の理にとってはどうでもいい事なんだな」って
そう思えてきたとき、自分が悶々と苦しんでいたことが、この世の中にとって、どうでもいいことなんだなって気づいたんです。
そして、そんなどうでもいいことに何俺は悶々(もんもん)としてるんだって。
「悶々するの馬鹿らしいな」って
その結果、スッと心のモヤモヤが消えていきました。
月曜日の朝には電卓を叩いている自分がいた。
横浜での一夜から翌日、放心状態の自分はいませんでした。
私の苦しさは「世の中にとってはどうてもいい事」ですし、「そのどうでもいい事に何悶々としてるの」って考えてから、悶々とすることをやめました。
じゃあ他に何をやるってなったときに、私にとっては会計士の受験が目の前にあったので、会計士受験を再び始めました。
この記事を読んでくださった方の中に、何かしらの受験で落ちて、悔しい思いをした方がいるかもしれません。
あなたやあなたの周りの方は、一緒に悔しがってくれるかもしれませんが、第三者(世の中)にとっては特段関係ないことですし、普段通りの世の中が動いています。
だってそれが、世の中の理だもん。
そんな「世の中」にとってどうでもいいことに悶々とするのって、人生もったいなくないですか。
悶々とするくらいなら、とりあえず、一歩進んでみるのはいかがでしょうか。
あなたの一歩は「世の中」ではなく「あなた」を変えるのですから。
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修了考査対策⑤科目別勉強法(租税実務)
どうも若手公認会計士のいまっしーです。
さて今回は修了考査の科目別勉強法の租税実務について記載します。
おそらく最大にして、最難関の科目ではないでしょうか。
修了考査全体の対策はこちらのブログを参照して下さいね。
租税実務
これほどまで実力が分かれる科目はないのではないでしょうか。
できる人はできる。一方できない人は全然できない科目が租税実務です。
この差の原因は実にシンプルで、会計士論文式試験でどの位勉強していたか、または実務でどの程度利用しているかです。
租税は基本的に知識勝負の科目です。
知識を知っていれば回答できるし、知らなければ回答できないというシンプルである一方、試験範囲が膨大です。
論文式試験の範囲と被るのは法人税、所得税、消費税
その他にも、地方税、相続税、法人税(連結納税、組織再編税制等)が論文式試験の範囲外の科目も対象となってきます。
このため、他の修了科目と比較し、試験範囲としては圧倒的に広く多い科目となっています。
全般的な対策
そんな膨大な試験範囲の租税科目ですが、勉強方法は至ってシンプルで、とにかく問題を解いて、解答を見て覚えるの繰り返しです。
そして、大事なのは、「基礎」問題です。
大事なのでもう一度いいます。「基礎」を徹底して下さい。
じゃあ「基礎」って何って話ですが、論文式試験の範囲だった法人税、消費税です。
ここがまずしっかり出来ていない人は、全力でこの論文式試験レベルの法人税と消費税を勉強して下さい。(特に法人税の総合問題「別表4」)
この「基礎」である論文式試験の実力がもろに出ます。
私の同僚で論文式試験の租税法が苦手だった方は、考査の1年前から準備を始めていたと伺ってます。
早すぎるかもしれませんが、早めに準備するのは大事な事だと思うので、心配な方が、しっかり早めに準備をしましょうね。
そして、基礎問題はどれかということですが、平成29年度のTAC講座の答練教材を解いた印象としては、正直難易度が高い問題が多く、基礎問題としてはあまりオススメできません(答練は改正論点を抑えている印象があったので、そこを抑える意味では大切ですが)
TAC教材の場合、個人的な意見ですが、テキストレベルの問題で基礎は十分だと思います。
つまり、テキスト例題レベルは最低限解けるレベルになりましょう。
テキストレベルの問題が解ける前提で、答練を頑張りましょう。(ただし、難易度は高めですので、出来なくても気にせず、地道にわかりやすい問題から解きましょう。)
連結納税、組織再編税制について
連結納税、組織再編税制については、正直微妙なところで、時間が比較的なるのならしっかりやるべきなのですが、上記の「基礎」と比べるとやや劣ります。
毎年どちらかは出題されるので最低限知識を入れるべきということだったので、わたしは頑張ったのですが、私の年は良くも悪くもそこまで連結納税、組織再編税制が出題されなかったので、試験勉強としては無駄となりました。
ここばかりは、神のみぞ知るところなので、「基礎」がしっかりしている人はやっておきましょう。
その他、地方税、相続税
実務ベースでは重要ですが、試験では重要性が低いです。
しっかり切り捨てる勇気も大事だと思います。
やるべき事実施したうえで、お暇な方はどうぞ。
試験講評
以下、箇条書きで記載します。
・とにかく試験で出題される分量が多い。
・試験で大事なのはやさしいAランク問題を見極め、確実に点数を確保する
・わからなく、難しい問題はきっぱりと切るか、とりあえず埋めるかで、時間をかけない。
・法人税の総合問題が合否の分けめ(Aランク論点確保)
・改正論点はよく出るが、難易度は年によって変わるので、運。
・できなくても泣かない(会計実務と並ぶ、つらい試験なのは皆同じ)
・形式は多様。見たことない形式でも中身はAランクなんてこともあるので、形式で圧倒されないこと
以上こんな感じでしょうか。
とにかく、試験範囲及び試験問題が膨大です。
取捨選択。切り捨てる勇気を、Aランクは必ずもぎ取る覚悟を持ちましょう。
ではでは。
超公認会計士サミット2018に行ってきた
どうも、若手会計士のいまっし-です。
先週、会計士の中でも、活躍されている若手会計士の方が登壇される。
超公認会計士サミットに参加してきました。
今回はこちらの概要と私の考え事をまとめたいと思います。
登壇者の方々
こちらは公式サイトの紹介記事を引用させていただきました。
◎ 山本 健太郎(株式会社アオイエ CFO)
-想像から創造へ-誰もやらないことにこそチャンスがある。設立時からベンチャーにジョインした若きCFO
https://kaikeishinorirekisho.com/career/242/
◎ 菊池 諒介(プルデンシャル生命保険株式会社 シニアライフプランナー)
営業力と会計税務知識という相容れない2つの独自色でトップセールスに
https://kaikeishinorirekisho.com/career/281/
◎ 大手町のランダムウォーカー
日本人全員財務諸表を読めるようにするプロジェクト #会計クイズ 主催者。会計士兼マーケッター
◎ 横山 正宏(認定NPO法人フローレンス CFO)
NPO法人CFOの先駆け的存在。ソーシャルセクターの社会的信用力の向上のため日夜奔走
https://kaikeishinorirekisho.com/career/246/
◎ 宮下 晃樹(Carstay株式会社 代表取締役・NPO法人SAMURAI MEETUPS 代表理事)
株式会社CEO・NPO法人代表・公認会計士のパラレルキャリアでまちづくりを推進する26歳
https://kaikeishinorirekisho.com/career/237/
登壇者の皆様
イベント概要
大手町のランダムウォーカーさん企画の会計クイズをアイスブレイクとしてイベントは開催され、その後、「未来の会計士の働き方について考える」といったテーマに沿って、登壇者の方々がパネルディスカッションを実施されてました。
登壇者の皆様それぞれの過去の経験や現在のキャリアへの経緯などをお話されていましたが、共通していたのが、「自分の好きな事」、「自分の得意な事」を追求する事の大切さでした。
菊池さんはライフプランナーとして、顔の広さと公認会計士の知識を掛け合わせ、群雄割拠の保険業界を駆け抜けている一方、宮下さんは日本へ観光に来た外国人を案内するといった自身の好きな事、ワクワクする事を仕事に変えている。
一人一人の得意な事、好きな事を仕事にして活躍することが「未来の会計士の働き方」なのではないだろうかというメッセージを今回のイベントでは登壇者の皆様がおっしゃられていたことでした。
いまっし-の考え事
さて、キャリアに悩む会計士の一人とて、常々考えていることですが、会計士にとって今の時代は好きなことを仕事にできる時代である一方、ローモデルとなる先輩が少ない(いない)時代ではないでしょうか。
今回登壇された方々のお話を聞いて、参加者全員が登壇者の方と同じようなキャリアを歩むことはまずないでしょう。
なぜなら、一人一人好きな事、得意な事が違うからです。
キャリアを模倣するだけは、今回参加した方々は自分の望むキャリアに進めないのだと思います。
ただ、今回登壇された方々の共通されていたことは、自身の好きな事、得意な事を活かすために、徹底的に行動し、実行していたという事であり、この部分については、私も含めキャリアに悩む若手会計士にとって需要なカギであると考えます。
大手町のランダムウォーカーさんは「会計クイズ」を本格的に出す前に、試作として会計クイズになる前の資料を公表し、リアクションを研究していたそうです。
その結果を受けて、再度修正し、またテストする→修正→テスト、と繰返し行動した結果、今の「会計クイズ」が誕生したそうです。
横山さんも監査法人で平日は勤務しつつも、土日はNPOへのプロボノ活動を積極的に行い、今のNPOのCFOとしてキャリアにステップアップされています。
山本さんも同じく、一般社団法人を立ち上げるなど、積極的に活動されています。
会計士として、一歩先のキャリアを進む登壇者の方々に共通しているのは、一歩の行動力です。
思いついたらまず行動する。
行動して、合わないとかあってないなら、別の方法を考える。
そして、また行動する。
その行動が自分に合っていると続けることができ、いつの間にか一歩出た人になれる。
実にシンプルな事ですが、この行動力をキャリアに悩む会計士として、今後肝に銘じていこうと思った今回のイベントでした。
私の考え事はこちらで以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
そして、登壇者の皆様、ありがとうございました。